My Sound Room
EM-DAC 4399Q2の調整。。。
EM_DACは、製作してはや6年を迎えました。
動作は大きな問題も無く、素晴らしい音を奏でてくれてきました。
私的には音質的に満足できたのは、このDACが初めてでした^^

当時最高峰であった旭化成AK4399(32bitDACチップ)を、贅沢にもch2個、計4個使用して差動出力とし、音質や特性を高め、
またバランス出力をはじめ十分な入出力端子をもち、自作できるDACとしては最高と思われた一品でした。
OPアンプやクリスタルなど主要パーツを吟味して、結構苦労して完成にたどり着きましたので、気に入るのは当たり前ですね^^

しか〜し、
問題がひとつあり、それを何とかしたいというのがこのページの趣旨です。
つまり、時々再生音が途切れる という問題です。
常に起きるわけではありませんが、夜間、朝方が多いようです。
 原因を推察しますと、家庭内の大電力家電品の影響、つまり炊飯器、洗濯機などによる電圧変動や突入ノイズによりDACの動作が
不安定になる、これが第一。
次にDAC自体の問題で、再生音が途切れるのではないか、つまり、制作上の欠点、或いは電圧変動や突入ノイズに無防備な設計(失礼)
が原因か? と。
他の機器、例えばPMA-50などメーカー製のDAC内臓アンプは同じ環境で全く問題なしですので。


・・といった具合で、6年ぶりにメンテをしようかと。
出来てからほとんど触ることがなかったので、当時の資料を再収集。
EMISUKE氏のHPにはそのまま掲載されていました。
このあたりの姿勢が素晴らしいですよね。
 資料が揃ったところで、本体のチェックポイントは3つです。
まずは入出力端子の配線の状態、つまり半田割れなどの有無、
次に前から気になっていた、PU(電源ユニット)の出力電圧が適正かどうか。
これは製作当時、配布されたOPアンプで音だしをし、その後LME49990に変更したのですが、はたして適正電圧かどうか
チェックしないまま稼動してきました。
 これは音が出ているから、そっとしておこう!(触ると出なくなるかも)というおかしな心理が働いたためです~~;
あと入力端子ですが、元の設計は同軸(COAX)と光(TOS)のみでしたが、バランス(AES)を加えたのです。
COAXとAESはスイッチで切り替えています。
怪しいですね〜 このあたり。


まずは、半田のチェック・・ 特に問題ないようです。

次にPU出力電圧のチェック。
これはもっと早くやるべきでしたね。
 右がPU基板、左はDA基板

ピンク、白、黒の配線の付け根が電圧のチェックポイントです。
3Pはアナログ基板(OPアンプ)に行ってます。
奥の2Pはデジタル用です。
 まずは3Pからテスターで調べます。
25Vですから適正範囲です。(24-35Vの範囲)
しかし、よくみるとこれって±電源ですね、そこで恐る々別々にあててみますと、-5/+20V!奥も同じでした!
これはいけない! そうとう偏っています。
 LME49990の仕様をネットで調べてみますと±15Vが適正でした。
そこで、端子の左の二個の可変抵抗を回し夫々15Vにしました。
 6年ぶりに漸く適正に・・

今までの6年かなりの悪環境でOPアンプを酷使したようです~~

これでとりあえずフタをして試聴してみました。
iPOD=>
EM-DAC=>HeadphonAmp=>HD650改 いつものシステムです。
う〜ん、気のせいか、音が伸び々しているような・・ 高域は変わりませんが、低域がより深く沈んでいるような気がします。

問題の動作の安定性の確認は、もう少し時間が必要です。



その後、最後のあやしいポイントである、AES/COAXの配線及び切り替えSWを見直してみました。
よくよく見ますと、かなり雑に配線してありました。
特にSWは、3極のダブル(つまり2端子で済むところを4端子)で使っていますので、2端子を繋ぐ針金を半田し、それに配線していました。
それを配線しなおしダイレクトに半田しました。
あと、COAX=>SWは同軸ケーブルに交換しました。
 で、音だししてみますと・・
COAXはOK、しかしAES(CDPの出力)は音が出ませんね〜、どういうこと???
原因が分からないまま色々チェック、しかしダメですね、繋ぎ間違えたかな?
仕方ないので、ネットで端子の配列を探して見ました。
しかし、な、無いですね〜 何で? 数点それらしき画像が見つかりましたが、微妙に配列が違います~~
Wiki*** にもありませんし、専門の技術サイトにもありませんでした。 
問題を厄介にしているのが、XLRのアナログ端子/ケーブルの存在で、同じキャノンコネクターを使いますので、混同しやすいのです。
結局一時間以上配線を変えて、音だしを繰り返しました。
で、やっと音が出ました^^;

 CECのCDPの場合



     その後、朝方がんばって数時間聴きましたが、音が途切れることはありませんでした。
     もう少し聴きこまないと断定は出来ませんが、かなりよい状態です。
     低域の低いところがよく出るようになりました。
     ガムランの、低音のドラの音のボリュームや揺らぎが、サブウーファを効かせたように聴こえます(HPですが)。
     DACの出力段に使っているLME49990というOPアンプは、低域が細いのかな〜 なんて思っていましたが、そんなことはありませんでした~~
     苦労した甲斐があったというものです。


            音質チェックということで、iPOD、CDPの出力を切り替えて試聴してみました。
            COAX入力はいずれも鮮度が高く、申し分ありませんでした。
            ただ、AES入力は聞き比べてみますと、何かしら元気なく残念な結果に~~ これはいただけませんね。
             原因は、DAC自体の入力がアンバランスが基本ですので、無理やりバランス接続したのが原因でしょうね。
            そこで、アースライン(1番)をカットしてみました。
            そうしますと、ほぼアンバランスと同等の音質になりました。
            以前はカット前の音で聴いていたわけです~~
            改めて自分の駄耳を恥じるばかりです~~;
            このDACの特質は、無音時のノイズがほとんど感じられないところでしょうか。
            今回の見直しで、音が途切れることがなくなり、音質も本領発揮ということで感無量です。 


                       DACの調整後、音質が向上しました。
                       当初、低域が良く出るようになった・・ と思っていましたが、全体的に鮮やかな音になりました。
                       そう感じたのは、HD650改で聴いたとき、煌びやか過ぎる と感じたからです。
                       気のせいでなく、色々な曲を聴いて、少し高域を落としたいという結論になりました。
                       そこで、追加したTAKE-Tの調整用抵抗82Ωを大きくすることにしました。
                       幸いソケットに挿してあるだけですので、手持ちの抵抗を使い、大きいものに交換しました。
                       結論的には4.7kΩ!という値と成りました。
                       これで、聴きやすく、多少音量を上げても大丈夫です^^
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