My Sound Room
MP3 再考 。。。
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iPOD用のデータは今までWAVばかりでした。
それは、音質優先というだけでなく、唯一非圧縮のデータだからです。
そのため保管用データとして音質優先で決めたわけです。
圧縮されたデータは、ソフトのアルゴリズムでデータサイズを減らすことを目的に(音質向上でなく!)別のデータに書き換えられているのです。
そうしたデータは再生時に再生用アルゴリズムで元の音声データに近づくよう処理され、D/A変換を経て音声信号になるわけです。


音は、聴き終わるとそれで消えてしまいますので、正直比較がしにくいです。
そのため目に見える画像で説明しますと・・・
画像では非圧縮のbmp/tiff と、圧縮の代表選手、jpeg といったらいいでしょうか。
圧縮率が低い、つまり高画質の場合、見た目の劣化はほとんど見分けが付きません。
しかし圧縮率が高くなるにつれ、例えば輝度差が大きい部分は、輪郭のエッジが目立ったり、周囲にちりめん皺のような汚れが発生します。
そういった見た目の変化だけでなく、データの深度、つまり階調を落とすこともあります。
そのため特に暗部の色の段差やノイズが目立つようになります。


音の圧縮データの代表であるMP3(Mpeg3)はどうでしょうか?
圧縮データを避けてきた私には圧縮を高めるとどのように変わるか、掴めていませんでした。
音楽管理は、iTunesですので、たまにmp3にする場合、ソフトのデフォルトで最も高音質の192kにして変換していました。
(192kとは毎秒の転送データ量)
データの大きさは元のwavの12-15%と大変小さくなります。

元のwavは、CDのPCMと同じですから1411kの転送率です。
ですからMP3の192kは、1/7.5程度ということに・・・
これで高音質の音に再生されるんですかね?
あるMP3ソフトの説明では、192kはCDレベル、320kはスタジオレベル とありました。
う〜んこれは・・・ ??! 
原音であるwavを超えるということでしょうか???


実はこのあたり、音楽再生を取り巻くデジタル処理のマジックが背後にあり、それがこのような表現に(誤解を生むような)なるのでは と推測します。
最近ではCDを再生する場合、アップサンプリング(X4〜8倍)などのD/D変換後、アルゴリズムで原音に近づけ、D/Aされるというのが普通に成っています。
なかには、DSDでまったく別のストリームデータに変換するなど、離れ技を行い音質を高めるなどの処理が行われているようです。
これらの背景には、ハイレゾやSACDなど、真に音質を追求する技術があります。
 このような状況から、CDの再生とは、CDレベルのデータを基にしていかに原音に近づけるか、言い換えれば20-20kHz程度のCDデータをもとに、より広帯域で自然な音を作り上げるか ということと等しくなっているわけです。
こういうわけですので、MP3ソフトの説明は、192kのMP3データをもとにCDの原音レベル、つまり20-20kHz程度の帯域の音を提供できます ということではないかと推察します。



まあ、難しいことはさておき実際の音はどうでしょうか?  ここからが本題の肝ということに。
なぜ今頃、MP3に取り付いているかというと、カーステレオがMP3かAACしか受けつけないことがわかり、泣く々・・・ というわけです~~。

そこで、192kのMP3で聴いてみたのですが、あまり宜しくない。
そのため、今回192k/320k/バリアブル の3種のMP3データを作り聞き比べることにしました。
普段良く聴く数曲をサンプルにしました。

   例のカーステレオでは・・・
   192k・・・まあ普通ですね〜、帯域がちょっと狭いかな?
   320k・・・おお〜〜っ ここれはいい^^ 音に艶があり、低域の抑揚が顕著に上がりました。 高域が良くなるかと思えば、そうでなく中低域、低域が
   豊かになりました。
   バリアブル(高音質)・・・320kほど差がありませんでした。

このような結果でした。
これは車内の印象ですが、MP3の最高音質である320kは使えますね。
データ量は、WAVの23%弱で、192kの1.7倍弱でした。

   次にPCのデータをイヤフォンで聴いてみました。
   iTunesと汎用プレーヤーで再生してみました。
   192k・・・結構いい音です。 くっきりしています。
   320k・・・より自然な感じです。 高域のエッジ感がなく、より低域よりの音質。
   バリアブル(高音質)・・・192kとほとんど同じ。

PC/イヤフォンの再生は、車内ほど差が感じられませんでした。
カーステレオは低域を持ち上げているきらいがある といっておきます。
しかし、高音質とは強調感の無い、自然な再生である ということをあらためて認識した次第です。