My Sound Room
Nmode 1bitデジタルアンプ試聴 。。。
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先日貸し出し依頼をしていた、Nmode社の「X-PM100」 というプリメインアンプが届きました。

Nmodeは福岡県に拠点を置くオーディオメーカーで、CEOはシャープで1bitデジタルアンプ(以下Dアンプ)に関わっていた方らしいです。
小生は、過去にシャープの1bitDアンプ搭載のコンポ(SD-NX10)を使っていたことがあり、結構気に入っていました。
Nmodeは1bitDアンプを開発し続けていますので、ぜひ最新のアンプを聴いてみたいと思っていました。

先日まで使っていた、DENON PMA-50もDアンプですが、ほぼアナログアンプと遜色ない音質でした。
しかし残念ながら駆動力が小さく、大型のスピーカーには向かないことが判りました。
今回のX-PM100は、25WX2(4Ω)というPMA-50と同程度の出力しかありませんが、巨大なトランスを2機積んでおり、フルサイズのアンプということで期待が高まります。
PMA-50と異なるのは、デジタル入力が無く、ライン入力を再サンプリングして増幅していることです。
PMA-50はどちらかというとパワーDACといえるもので、デジタル入力時に良い音で鳴りましたが、ライン入力は全くダメでした。
さてX-PM100はいかに?


 Nmode X-PM100


梱包を開けて取り出すと、大型のボリュームノブがポろっと抜け落ちました~~  これはご愛嬌?
薄型ですが15kgあり、結構重く、前のほうにトランスがあるようでフロントヘビーです。
シンプルな外観で、フロントに電源スイッチ、ボリューム、セレクターSWという最低限の操作系で、背面にパワーアンプ化切替えSWがあります。
リモコンはありません。


E-370のケーブル類を外し、替わりに設置し結線します。

 3個の出力端子を備える

出力端子が3個あり、マイナス側はHmodeと、Lmode2つのモードが選べるようになっています。
LmodeはS/Nに優れ、Hmodeは少しホワイトのイズがのるがパワフルということです。
我が部屋ではホーンを使っていますので、迷わずLmodeです。

そろそろ温まってきましたので、ボリュームを上げてみます。
いつものsoundtestというプレイリストを聴いてみます。

う〜ん、いいですね!
ビル・エヴァンストリオでは、左に位置するベースが小気味よく鳴ります。
低域はアキュよりいいんでないかい? 下までよく出ています。
右側のピアノは神経質になることなく、普通によいです。
 スティングの名曲は、やはり低域がいいですね。
ボーカル、パーカッションも自然です。
欠点の無い、優れたアンプですね、これは!
ノラ・ジョーンズは、録音レベルが高く、ボーカルが持ち上げてありますので、アキュですとやや口元が大きく聴こえますが、X-PM100でもほぼ同じように聴こえました。
パイプオルガンの入った曲では、低域がよく再現されました。

アキュの代替で、ぽんと置き換えたにも関わらず、相当よい再生レベルでした。
ちょっとチューニングすれば超えること間違いないと思います。
低域は既に越えています。
中、高域はやわらかく自然な再現です。

次に、例のガムラン・パーカッションを聴いてみます。
これは高域の再現をみるためです。
う〜ん、高域が伸びていないです~~
金属の鈴が頭打ちですネ
高域用のケーブルは銀メッキ単線ですので、もっと金属質に響かないといけません。
聴いているうち、デジタル特有のノイズを処理するのに苦労したんだなと・・
で、2つのモードを搭載したわけです。

    その後、消費電力が低いので(15-25W!)2日間ほどつけっぱなしにして再度聴いてみました。
    スロースターターらしいです、X-PM100は。
    ガムラン・パーカッションはというと、前回よりはましになったように思いました。
    次に激しい曲を、ということで、R・ラカトシュ(Roby Lakatos、ジプシーバイオリン奏者)のライブを聴いてみました。
      う〜ん・・・ 
だめですね、残念~~
    Dアンプはこういった曲に向いていると思ったのですが・・
    音に切れがなくバイオリンの超絶演奏がうまく再現できていません。 
    背景で弾かれているツィンバロム(ピアノライクな打楽器)の、独特の玩具っぽい音色が埋もれてしまってます。
    このアンプ個体の問題でしょうか、それとも・・

       このように少々残念な結果でしたが、決してDアンプを貶す意図はありません。
       全く逆で、Dアンプ好きの小生ですので、最新の1bitアンプを試すことが出来、Nmode様には感謝にたえません。
       この場をお借りして
御礼申し上げます。




               今回の試聴で1bitDアンプにはまだまだ問題が残っているということが判りました。
               つまりスイッチングノイズの処理で、スイッチング周波数を上げれば上げるほど難しいようです。
               特有の残留ノイズ(所謂シーノイズ)との兼ね合いで解像度を上げられないと思われます。
               残念ながら、現状の1bitスイッチングアンプでは、ハイレゾの再現は難しいのでは? と悲観してしまいました。
               アンプとして本質的な音質向上を更にすすめないとアナログアンプと対等な位置にたてませんね。
               アナログアンプは、改良に改良を重ね、様々な問題をクリアして高音質になっています。
               低域の緩さという問題は過去のもの、ボリューム、スピードともに向上しています。
               発熱や消費電力もさほどではなくなっています。
               E-370に戻すと、「何いってるの、そんなことは論外」と涼しい顔で、楽々とこなします^^
               スイッチングアンプの大問題は、アナログアンプでは存在すらしないのですから!(幕)